東海汽船の着岸率、八丈流しとは? 着岸できなかった時は?

復路 橘丸 02伊豆諸島
復路 橘丸

伊豆諸島と東京を結ぶ大型客船では、着岸率または就航率という言葉が使われます(この航路だけではありませんが)。これに派生して八丈流しなんて、江戸時代の流刑の様な言葉もあります。その説明や、着岸出来なかった場合、着岸できない事が予測される場合の対処法や、個人手配で行く場合注意すべき点などの情報をまとめておきます

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マップ

伊豆諸島を結ぶ、東海汽船の大型客船の航路は、
東京→ 大島→ 利島→ 新島→ 式根島→ 神津島、を結ぶ「さるびあ丸」の航路と
東京→ 三宅島→ 御蔵島→ 八丈島、を結ぶ「橘丸」の航路があります。

下の地図は東京→ 大島→ 利島→ 新島→ 式根島→ 神津島の全航路のGPSログなのですが、
このログは、利島から東京に帰る際、午後に東京行きが着岸しない事が予測できたので、
朝の下りの神津島行きに乗船し全島巡って、東京に帰った時のログです。

途中大島出てから船室で寝てしまったので、ログが取れず、直線になってます(汗)

着岸率・就航率

色々呼び方はあるようですが、ここでの解説としては、船が港に着岸出来た確率の事を指しています。
海の孤島では、風の方向や波の具合で、島の西側が波が高くなったり、東側が高くなったりします。
伊豆諸島の中で、大型客船が着ける港が2つ以上ある場合、波が穏やかな方を選べるのですが、利島、御蔵島など、島に港が一つしかない場合はその港の状況が悪いと接岸できません。
ちょっと信じられないかもしれませんが、Jun HasegawaさんのYoutube動画を見ると納得いただけるかと、、

東海汽船の大型客船の接岸率 (2011-15年の5年間平均)
大島99% 利島83% 新島90% 神津島94% 三宅島92% 御蔵島63% 八丈島88%
この出展は東京都湾港局のこちら
御蔵がダントツで悪い事が判ります。次が利島。
どちらも、ドルフィンスイムの出来る島。(偶然では無い様な)

着岸しなかったら、対策その1島流し

2つの航路の2018年8月の時刻表は
東京22:30発→ 三宅島翌5:00着→ 御蔵島5:55着→ 八丈島8:50着
八丈島(折り返し)9:40発→ 御蔵島12:30着→ 三宅島13:25着→ 大島16:10着→ 東京20:45着

東京23:00発→ 大島翌5:00着→ 利島6:35着→ 新島7:30着→ 式根島8:00着→ 神津島8:55着
神津島(折り返し)9:30発→ 式根島→ 10:20着→ 新島10:45着→ 利島11:45着→ 大島12:55着→ 東京17:40着

となっています。
東京から御蔵島に向かい、朝、御蔵に接岸できない場合は、三宅に戻る事も出来ないので、そのまま乗船し八丈島まで往復します。この往復を特に御蔵-三宅間は長いので、「八丈流し」と呼ばれています。
そして八丈で折り返して、お昼に御蔵に戻ってくるので、その時着岸できれば、その時下船します。下りでも上りでも下船できなければ、そのまま東京まで戻って、運賃は払い戻しされ、無料でクルーズして来たとなります。
少し話がそれますが、御蔵に向かう乗船券を買う場合は、かなりの高確率で条件付き出港、つまり、「御蔵に向かい接岸しようとしますが、状況により接岸しないかもしれません。これを理解して乗船下さい。」と言われることになります。御蔵ではこれは当たり前なので、宿、ドルフィンスイム等で、条件付き出港だからキャンセルは通用しません。

また、東京に帰る日も、午後、港の波が高くなる事が予想される場合は、(宿やドルフィンスイムなどに相談すれば(場合によっては相談しなくても)教えてくれる)、朝、御蔵なら、八丈行きに利島なら、神津島行きに乗船します。
この場合でも、御蔵-八丈間の運賃、利島-神津島間の運賃は請求されないようです。(もちろん他の島で降りられませんが、、)現に私が利島から神津に流された時は請求されませんでした。
ここ、普通、不安ですよね。

着岸しなかったら、対策その2漁船チャーター、ヘリコプター

船が接岸しない場合、漁船をチャーターして隣の島まで行くという手と、ヘリコプターで渡るという手があります。
行けないのはともかく、帰りが遅れるのは困るという人には、有効です。
ヘリコプターは、アイランドシャトルが運行しているのですが、定員9名なので、その場で予約は困難です。
キャンセル料覚悟で予め予約しておく人がいるのでしょうが、日曜の御蔵発、三宅行きは満席が多いです。

基本的な対策:着岸率の高い時期を選ぶ

下記は御蔵と利島のH21の着岸率です。出展は国土交通省のこちら
5-6月が良さそうで、7-8月は台風次第と言われています。
御蔵島
1月32% 2月43% 3月58% 4月70% 5月90% 6月85% 7月84% 8月89% 9月75% 10月68% 11月62% 12月44%
利島
1月56% 2月73% 3月58% 4月82% 5月87% 6月100% 7月100% 8月92% 9月74% 10月84% 11月80% 12月64%

また、御蔵の着岸率の統計情報はこちらが判り易いです。

この着岸率の関係で、オーシャナでも御蔵のドルフィンは6月がねらい目という記事が上がってます。

伊豆諸島へ個人手配で行くときの注意

御蔵や利島以外の島でも、出港する港が変わったり、出港時間が早まったりする事もあります。
これらは、島内放送で流れるそうなのですが、遊んでいると気づかない事もあるので、宿やドルフィン、ダイビングなどのショップにいつ帰るのかを伝え、出港について情報を教えて貰う様にした方がよいでしょう。八丈の海況が悪くて八丈に行かない場合は朝、客船に乗るのが必須になります。

神津流しの特典

私が自ら「神津流し」で利島から、神津行に乗船し、東京に帰った日は風は強かったのですが、天気は良く、ビールを頂きながら、利島 新島 式根島 神津島 大島の景色を海上から堪能できました。 写真を下のgyラリーにまとめました。

ギャラリー

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